ホルモン補充療法(HRT)
男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下すると…
30代後半から40代を過ぎると、中年太りというように、急に手足が細くなって、お腹がぽちゃっとしてくるということはよくあります。これは、運動不足の影響もありますが、男性ホルモンの減少によって、体形が女性化したともいえます。
男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下すると…、
・精巣(睾丸)からテストステロン(男性ホルモン)の分泌が低下
↓
・脳下垂体から「性腺刺激ホルモン」が多量に分泌
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・脳下垂体の上位中枢である「視床下部が不安定」になる
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・視床下部は性欲中枢などの「本能・生命」と直結する神経中枢
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・自律神経の不調があらわれる
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・視床下部の上位中枢である理性・感情の中枢である「大脳皮質」にまで影響
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・不安・イライラ・うつ傾向・不眠などの精神症状や
内臓や生殖器などにさまざまな症状を引き起こす
このように、自律神経をコントロールし調整するホルモンの減少が始まるのが更年期と言えます。
ホルモン補充療法(HRT)
低下した男性ホルモンを補おうとするのが、ホルモン補充療法です。
・低下した男性ホルモンを補充
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・脳下垂体の「性腺刺激ホルモン」分泌量が減少
↓
・視床下部が安定
↓
・大脳皮質の興奮が調整される
ホルモン補充療法(HRT)の実際
まず、男性ホルモンを測定します。その測定は血液からだけではなく唾液からも測定できます。そして、具体的な治療法としては、「内服療法」「注射療法」「パッチ療法(貼り薬)」があります。
一般的には注射療法が使われます。注射は、1回250mgを2〜4週間ごとに筋肉注射をします。
ホルモン補充療法(HRT)の注意
ただし、男性の場合は前立腺ガンを誘発する可能性があるので、
治療前・治療中に前立腺特異抗原の血液検査を受け、
正常であることを確認しながらホルモン補充療法を受ける必要があります。